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アルクプレスのkids com雑誌の“みんないっしょにBeGenKi!"ページの記事。


第6回 こうすれば授業でALTと協力できるよ!

まずは、子どもたちが「もっとがんばろう!」
と思える姿勢を見せよう!


 小学校で英語を教えるとき、実はそんなにたくさんの英語を話せる必要はありません。英語と聞いて、中学校時代の英語の授業を思い出す人もいるでしょう。先生が少々ヘンな発音で、"Let's enjoy studying English!"などとあいさつをしながら始めていた(かもしれない)授業です。でも、小学校ではそんな授業をする必要はありません。そんなことをしても、子どもたちは「何やってんの?」と思ってしまうはずです。必要なのは、にっこりと笑顔で、そして大きな声で"Good morning!"と教室に入っていく姿勢。それさえあれば、万事うまく行くはずです。

 ほら、それだけなら簡単。できるような気がしませんか? そして次のステップ。もう少し英語を使ってみましょう。しかし、担任の先生の仕事は完ぺきな発音の英語を教えることではありません。それはALTに任せてしまえばいいこと。もちろん、できるだけていねい発音する必要はありますが、少しくらい発音が違っていても心配する必要はありません。皆さんの仕事は、子どもたちとALTとがコミュニケーションを行うのを手助けすること。そして、子どもたちが「もっとがんばろう!」と思えるような姿勢を見せることなのです!

 覚えておいてほしいのは、先生が授業中に話す必要がある英語は、ほんの10語程度と2、3の質問だけ。それなら大丈夫でしょう? しかし、ALTとの協力はどのように行えばいいのでしょうか。今回はその方法を3つ紹介しましょう。どの方法を選ぶかは、皆さん自身と一緒に教えているALTにお任せします。


先生は子どもとALTの調整役に

 まず紹介するのは、低学年の子どもたちを教える場合、またはALTが授業にやってくる頻度が少ない場合に適しているもの。この方法では、子どもたちをリードするのは皆さん。ALTには適当なところで加わってもらいます。注意すべき点を2つ挙げるなら、1つ目は、ALTがもっとやり取りに加りたいと感じているようなら、どんどん加わってもらった方がいいということ。いくら担任の先生がリードするといっても、ALTを「例文を繰り返すテープレコーダー」のような存在にしておくのはもったいないですからね!

 2つ目は、ALTが子どもたちの質問を理解できないとき。こんなときは、子どもの質問をすぐに英訳したりしないで、こどもたちに英語にしやすい簡単な日本語をヒントとして与えるようにしましょう。簡単な日本語を手掛かりに、子どもたちは簡単な英語を思いつくはずです。

 ALTがある言葉を日本語で何と言うのかわからない、という場合も同じです。担任の先生が日本語をALTに教えてしまうのではなく、ALTが何のことを言いたいのか、子どもたち自身に考えさせるようにしましょう。

 大切なのは、担任の先生は調整役であるということ。子どもたちとALTの距離を縮める役割をしなくてはいけません。親しみの持てる雰囲気づくりを心がけ、ALTを「動物園の珍しい動物」のような存在にしてしまうのではなく、担任の先生、ALT、そして子どもたちの三者が、親しく意見を交わせる状態を保つようにしなくてはいけません。


簡単な英語を覚えてALTを手伝おう!

 2つ目の方法は、ALTが授業をリードし、担任の先生は可能な場面で手助けをするという方法。ALTが子どもたちのことをよく知っているのなら、この方法がいいでしょう。しかし、ここでも担任の先生には大切な役割があります。ALTと一緒に、ロールプレイのモデルなどを実演したりすることです。たとえば「時間」がテーマの授業であれば、ALTが"Excuse me, what time is it?"とたずねて、担任の先生は"It's five o'clock."と答えるといったもの。簡単で皆さんが楽しんでできるようなもので構いません。

 繰り返しになりますが、自分の英語のレベルは心配するのはやめましょう。もしどうしても不安ならば、授業で使う英語表現を、事前にこっそりALTと練習しておくことだってできます。

 授業の始めのウォームアップなら、"Stand up." "Sit down." "Jump." "Spin." "Play tennis." "Play the piano."といった簡単な表現を、ALTと交代で子どもたちに言う、といったこともできます。言いやすい表現だけを自分で言うようにして、ちょっと難しそうだと思ったものはALTに言わせてしまえばいいのです。この2つ目の方法は、皆さんに一番おすすめの方法です。


子どもと一緒に授業を楽しんでみては?

 しかし現実的には、担任の先生は忙しすぎ。英語のレッスンはすべてALTに任せてしまいたい、という場合もあるでしょう。なかには、すべて任せてくれた方がやりやすいというALTもいるにはいますが、3番目のこの方法を取る場合は、事前にALTに確認しておく必要があるでしょう。

 私の場合は、この方法を多くとっていました。私が教えていた学校では、子どもたちはゲームのルールなどをすぐに理解してくれたのですが、職員室で先生に説明しても、なかなか理解してもらえなかった、という状況もあるのですが。

 しかし、子どもたちにとっては、先生自身ががんばっている姿はとても励みになります。そこで提案したいのは、リラックスして子どもたちと一緒に授業を受けてしまうことです。余っているイスに座って、子どもたちと一緒に英語を言ったり、歌を歌ったり、ゲームをしたり。子どもたちが喜ぶこと間違いなしです!

 先生が「児童の1人」になることで、何か問題が起きてもその場で対処することができるし、授業がどんなに楽しいかを体験することだってできてしまいます。私自身もよく「児童」になって、自分の授業がうまく行っているかをチェックします。「これは楽しい!」と思えば、次の授業でも繰り返し行ったり、「あまり楽しくない」と思えば、次回は改良を加えて行ったりもできます。もし、一緒に教えているALTが問題ないということであれば、ぜひ「児童」として授業に参加してみてください!。

 ここまで、ALTとどのように協力して授業を行うかについて、いくつかの提案をしてきました。Genki Englishのウェブサイトや『kids com』には、いろいろな人たちの提案が紹介されています。あまり急がずに、徐々に英語を取りいれていきましょう。

 英語があまり得意ではないと思ったとしても(そんなことはないと私は思いますが)、ALTに次の授業で使う英語表現をカセットテープに吹き込んでもらったりするといいでしょう。それを、通勤途中の車の中や、ヘッドフォンステレオなどで聞きながら練習するのです。たった10の英語表現くらいと思えば、そんなに負担にならないと思いますよ!

Be genki,

Richard







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